ちびくろサンボの生活


むかしむかし、サンボという少年がいました。

ある日サンボはお母さんの作ってくれたお弁当をもって、ジャングルへピクニックに行きました。

森の動物たちとお弁当を分け合いながら昼食です。

「おいしいね」

 

その時、海辺のほうからたいほうの音が聞こえます。

ドーン、ドーン。

サンボはいそいで家に向かいます。

戻ってみると、おとうさんが首の後ろに手をまわしてしゃがんでいました。

そこへ「白い人」が銃口を構えます。

ターーーーーーーーーン。

乾いた銃声とともにおとうさんは前のめりに倒れました。

 

家の中からはおかあさんの悲鳴が聞こえていました。

「白い人」が代わる代わる家に入っていきます。

やがて、その声も聞こえなくなりました。

 

村中でそんなことが起きていました。

村の誇りだった戦士たちはこういいました。

「あの火の出る武器にはかなわねえ」

 

やがて、「白い人」はサンボたちを1列に並べました。

「お前はOK、お前はいらん」

まるでひよこの選別のようです。

「いらない」と言われた人がどうなったかは知りません。

 

そしてサンボは「奴隷船」と呼ばれる船に詰め込まれます。

奴隷船の中は、サンボたちは荷物以外の何物でもなく、人がおりかさなって、大勢の人が死んだのでした。

しかし、それでもサンボたちは反乱を起こしませんでした。

船員よりサンボたちの数が圧倒的に多かったのに。

 

上陸すると、サンボたちは数人の班に分けられました。

「白い人」が言うには、ここが新大陸だそうです。

サンボたちはある農園へと連れていかれました。

「白い人」の営む広大な農園です。

サンボたちはそこで昼も晩もなく働きました。

 

そうしているうちに、農場の夫人から声をかけられました。

仕事内容は、夫人のお世話をすること。

 

奥様は、とてもお優しいかたでした。

お坊ちゃまにも、サンボにも平等に接し、サンボに苗字を与えてくださいました。

サンボはとても幸せでした。

 

しかし、サンボの幸せは長く続きませんでした。

サンボたちの農場に北軍が攻めてくるというのです。

旦那様は兵隊に出ていきました。

やがて北軍が迫ってくると、奥様はサンボたちを山のむこうへ逃がしました。

サンボたちが去った後、農場は赤々と燃えていました。

 

それから数年後、サンボはある黒人女性と知り合い、結婚しました。

子供も2人授かりました。

妻は奴隷の間よほど酷い目に遭ったらしく、いつも白人の悪口をいいます。

でもサンボは、あの農園の優しい奥様の瞳が忘れられないのです。

 

※この話は全てフィクションです。

 

ではまた。

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